貴志川線の永続へ新たな誓い 結成10周年記念

「貴志川線を未来につなぐ集い」

 貴志川線の未来を”つくる”会は、2月22日(日)紀の川市西貴志コミュニテイセンターで結成10周年記念行事「貴志川線を未来につなぐ集い・シンポジュウム」を開催、300名が参加し10年の活動を振り返るとともに、再び廃線の危機を迎えないため行政・住民・事業者とともに永続に向けて取り組む決意を新たにしました。

当会 濵口代表の活動経過と決意を表明した挨拶
来賓挨拶(紀の川市 中村市長)

 濵口代表の活動経過と決意を明らかにした挨拶で開会、来賓の和歌山市長(代理荒竹宏之様)と紀の川市長中村愼司様から、それぞれ「存続へ自治体でできることは一生懸命やるが、住民の力も必要、今後とも力をかしてほしい」との決意と激励の挨拶をいただきました。

小嶋社長による特別講演

 小嶋光信和歌山電鐵社長が「貴志川線を孫の代まで残す経営戦略」と題し特別講演。貴志川線を引き受けるに至った経緯を明らかにし、引き継ぐ前は毎年5%乗客が減り続け、和歌山電鐵も年間2%の減少を想定していたが、実際は住民の努力とたま駅長効果で8年間で約17%増えた。それでも今後は団塊世代の通勤利用の減少と線路等の設備補修に費用がかかると懸念している、孫子の代まで残すためには交通政策基本法を活かしてキチンとした公設民営で次期の体制を創る事と、そのスキームの上に住民の協力と行政の地域づくりとしての支援と事業者の努力が大事だと述べ、貴志川線長寿大学の仕組みを作って高齢者が「貴志川線に乗って生きがいを作る運動の展開など具体策を明らかにし、「貴志川線は、地域の公共交通を守る全国モデルとなった。住民の皆さんは誇りをもってほしい」とエールを送った。
 続いで、和歌山大学地域連携・生涯学習センター講師西川一弘さんから、公共生活交通についての調査実施や住民との協働や研究など豊富な実践経験に基づく「地域交通再生とまちづくり」について基調講演を受けました。

貴志川コーラスのハーモニー

 休憩後、応援出演の地元で活躍されている「貴志川コーラス」34名が4曲を披露、美しいハーモニーと「となりのトトロ」から「さんぽ」の「歩こう歩こう」を「乗ろう乗ろう貴志川線」アドリブで歌い会場は大いに盛り上がり和やかな雰囲気に包まれました。

 パネルデイスカッションに移り、和歌山電鐵小嶋光信社長、山東まちづくり会の吉田泰士事務局長、濵口代表をパネリストに西川講師がコーデーネーターを務め、まちづくりと結んだ貴志川線の活性化を中心に討論。吉田事務局長は「地域の魅力を高めるため、資源を発掘するとともに、観光客とのふれあいに務めたい」と述べ、小嶋社長は「これからのキーワードは地域作り。自治体、住民、事業者が一体となり知恵をしぼり次の時代を作っていこう」と語り、濵口代表は「つくる会の課題は若返り、会員3000人を目指したい。まちづくりと結んで貴志川線を活性化させ永続させたい」とつくる会の課題と目標を明らかにしました。

 集いと合わせ「貴志川線の未来を”つくる”会 10年の歩み展」も行い、廃線問題が表面化した会の発足時前後のビラ、ポスターや資料などを中心に展示しました。入会の呼びかけも行い8名の新規入会者があり成功裡に閉会しました。集いの開催に当たりご協力頂いた行政、関係各団体にお礼申し上げます。

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