貴志川線存続に代表よりご挨拶

「もっと! ずっと! 貴志川線」のご利用を 

貴志川線の未来を“つくる”会 代表 濵口 晃夫

 4月1日多くの方々が、待ち望んでいた日が遣ってまいりました。 この日に合わせ祝福するかのように桜が開き微笑んでいます。 早朝、5時28分新生和歌山電鐵の一番電車が、テープカットとともに、各界の多くの方々の期待と祝福のもと貴志駅を出発いたしました。

 思えば、今から2年半前、南海電鉄が貴志川線から撤退したいとの表明以来、沿線住民は毎日不安な状態で過ごしてまいりました。私たちは、この状態を何とかしたい、なんとしても存続させなければならないとの思いで、「貴志川線の未来を”つくる”会」を1年半前に立ち上げました。「貴志川線問題の本質は何なのか、何故存続しなければならないのか」などを多くの方々と話し合い、また学び、また訴えかけもしてまいりました。お蔭で多くの方々のご理解とご賛同をいただき、会員数もこのような運動では大変多い3月末現在 6,392名にもなっています。

 このような皆様の熱意を受けて、行政も財政事情の大変厳しいなか、支援をしていただけることとなり、これを受けて公募により、岡山電気軌道株式会社が和歌山電鐵株式会社を設立し、経営を引き受けていただけることとなりました。そして待望の4月1日を迎えたのは皆様ご承知の通りでございます。ここで経営を引き受けていただいた岡山電気軌道様とともに、これまで厳しい状況のなか、経営を続けていただきました南海電鉄様に対し、心からお礼を申し上げます。 私たちの所期の目的は達成されましたが、これがゴールではありません。 貴重な財政支援を受けての存続です。子供や孫の代であっても、誇れる貴志川線にしていかなければなりません。 鉄道は利用することによってその真価が発揮されるのです。この存続の喜びを本当のものとするために、今一度貴志川線問題の本質を思い起こし、利用促進にご協力を、自動車の使用を控え、一人でも一度でも多く貴志川線の利用をお願いいたします。 

 貴志川線が廃線になっていれば、年間200万人弱の利用者はどうなっていたか、今思っても空恐ろしいものがあります。一番困っているのは、通学に利用している学生や児童・生徒さんたちであり、車を運転できない高齢者等でしょう。いずれにしても、並行する県道に頼るしかありません。現状でも朝夕は渋滞をしていますから、バスが運行されたとしても大渋滞で、目的地に何時着くのか予測できない状況でしょう。今、車を使用し、電車を利用していない人もこの影響を受けます。これを打開するためには道路を拡充しなければなりませんが、このためには数百億円の費用と時間が必要です。また、拡充が出来たとしても多くの保守管理費が必要となります。また、この結果自動車が増え環境の悪化、空気汚染が心配されます。今、世界的にCO2の排出、温暖化が異常気象を起こし、生態系の乱れなど問題化していますが、より悪い状況になるのは目に見えています。莫大な資金を投入し、環境を悪くするのです。折角の貴重な街の財産である貴志川線を残していかなければなりません。

 今までは鉄道のことは鉄道会社に任せておけばよい、との考えがほとんどでしたが、これからは利用者である住民も共に、「如何にすれば利用しやすい魅力ある鉄道に出来るのか、多くの方々が利用するにはどうすればよいのか」「存続させるために自分は何をすればよいのか」などについて考える必要があります。 私たち「貴志川線の未来を”つくる”会」は再び廃線の危機に直面しないよう、子供や孫たちに環境に優しい鉄道を残し、住みよい街を作るために活動を続けてまいります。

 今までご支援、ご協力いただきました会員の皆様、今後も旧に増して更なるご支援ご協力をお願い申し上げますとともに、より広く多くの方々のご支援を併せてお願いいたします。会員の更新、平成18年度年会費の納入については、追って会の報告と併せ必要書類を送らせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。


 私たちと一緒に活動をしていただける方を募集しています。会議は原則として、月2回、第2第4土曜日に開いています。 あわせてイベント等でお手伝いいただけるスタッフも募集しています。 一緒に活動をしていただける方やご興味のある方は事務局までご連絡下さい。

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